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第19回
神無一族の氾濫
担当 神無七郎

 詰パラ567号は、詰パラ67号('61-8)でS・オギノ氏によって「ばか詰」が提唱されてから、ちょうど500号目の記念号に当たります。そこで、今回の「氾濫」はばか詰特集としてみました。

 ばか詰のルールについては皆さんよくご承知でしょうが、改めて確認してみましょう。

【ばか詰】先後協力して最短手数で受方玉を詰める。但し、すかし詰は詰みとはみなされない。

 これ以外については、攻方が王手の連続であることや、受方が王手を外す手を選ばねばいけないことなど、普通詰将棋の規則がそのまま適用されます。このルールのシンプルさが、ばか詰の人気を支えているのでしょう。

 ここで、ばか詰の歴史を簡単に振り返ってみましょう。ばか詰が'61-8に提唱された当時は小さな反応しかなく、その後、何年も省みられることなく埋もれていました。ばか詰ブームに火がついたのは詰パラ169号('70-2)の中出慶一氏の新作発表がきっかけで、直後に発表された加藤徹氏の作品によって、長編のばか詰にも、大きな可能性があることが認識されます。詰パラ190号('71-10)では遂に「ばか詰教室」が開講され、公式に認知されます。その後ばか詰は、名担当者花沢正純氏のもとで発展の一途を辿り、森茂氏、鮎川哲朗氏ら、多くの才能が参入して、黄金時代を迎えます。多くの大作・傑作が生み出される中、その頂点を形成したのが、'75-9の加藤徹氏作「寿限無」19447手でした。その後も、飯田岳一氏、西田尚史氏、山田嘉則氏らの活躍が目を引きましたが、フェアリー界が多様化の時代に突入するとともに、ばか詰はフェアリーの主役から後退していきます。'80年代から'90年代にばか詰は徐々に衰退し、現在では客寄せ的な短編ばか詰が細々と出題される程度という状態になっています。

 では、ばか詰にはもう可能性は残されていないのでしょうか? もちろん'70年代の傑作群とまともに張り合う作品を作るのは難しいことでしょうが、ばか詰の鉱脈が尽きたとは私達は思いません。そういう意味で今回の「氾濫」は私達にとって、最も挑戦的な企画です。これが多少なりとも成功を収めているかどうか、それは解答者の皆様が、その目で確認してください。

  懸賞

▼ 締切6月末日。呈賞5名。解答は編集部または左記のアドレスへ
E-mail:k_7ro@abz.jp

▼ 評価点不要。短評歓迎。
1題の正解でも呈賞の対象となるので、解けた分だけでも解答を送って下さい。


@ 神無太郎 A 神無太郎
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B 神無三郎・七郎 C 神無三郎「螢狩」
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D 神無三郎「霧姫」 E 神無七郎
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