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12月号 第10回
神無一族の氾濫 結果
担当 神無三郎
(ノーカット版)

 第10回神無一族の氾濫解答状況一覧表

A1A2A3B1B2B3B4呈賞
天沢宗栄1
秋元節三2
池田俊哉3
上田安夫1
久後生歩2
駒井信久7
佐藤 司0
佐藤宣多2
佐藤善起4
守護主天1★ e-mail解答
高橋耕之介2
千葉 肇1
塚越良美×2
積田隆介3
縫田光司1
半裸一族1
原岡 望1
原田清実2
弘光 弘3
観月 愛2
宮谷保司楽2
解答者数 21
正解者数201044113

解答者数21名 全題正解1名

A10120
A201110
A30174
B10174
B20201
B31191
B40183

▽解答者が20名を超えました。
 A1の易しさとA2のヒントに誘われましたかな。
 Aコースは持駒飛車特集でしたが、気づかれました?
 また、e-mailでの解答も1名ありました。もっと増えて欲しいところですが、皆さん遠慮されておられるのかな?。


A1 神無三郎
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16飛、29玉、39飛、同玉、36飛打、38飛合、29飛、同玉、28飛、同飛成 まで 10手

▽持駒飛車5枚!に驚くことなく、二十名の解答者がありました。
 勿論全員正解。客寄せできたかな。

▼天沢宗栄−詰め上がりから逆算するしかないんですね。 

▼秋元節三−後手持駒ありだとどうなるのかな。

▽従来の後手持駒残り駒全部という考え方に縛られる必要はまったくない、と考えます。創作解答の両面から考えても、無駄な駒や無駄な配置を強要されるよりは負担がだいぶ減ります。これは将棋フォーラム(=パソコン通信の会議室)の中で加藤徹氏が提案されております。後手の持駒も制限して常にこれを示すことによって、詰将棋全体の更なる発展が期待できます。ましてやフェアリーですし。。

▼池田俊哉−よく考えてみるとシンプルで楽しい作品。 

▼佐藤宣多−詰め上がりYの字。うまく逃げ道を封鎖してます。

▼佐藤善起−玉方の飛が1枚だけで詰むとは意外。

▼守護主天− 詰上りの想像しやすい形だったので解けました。

▼千葉肇−どうせ飛が3枚必要なら全部飛にしてしまえ!部屋には飛が10枚ある。

▼積田隆介−易しくて、それでいて無駄なくきっちりまとまっている感じ。

▼縫田光司−この作品のおかげで今回も解答を出せる。

▼原田清実−飛車が5枚あるというのがなかなかイメージできませんでした。修行不足? 4点。

▽点数制度は体と精神に悪いので一族のほぼ合意を得て、廃止したんですけれど。。。表彰するための参考にするには、ジャッジ制にすればいいのだし、一族の作品は表彰するわけじゃないのですから、点数制度自体ナンセンスになりました。もっと伸び伸びと作品や雰囲気を楽しんでほしいと思います。

▼神無次郎ー点数による評価については、一つの表現であり、特に問題ないと思います。まぁ、その人の満点の考え方がわからないと、どのくらいに評価してくれたのか理解できないという問題はありますが。私が何らかの評価するときは、100点満点なのに最高点を80にします。学生時代、たしか、そのような基準で点数をつける先生の話を聞いたような...

▽その人の感性、想像力、その作品の表現力を評価するのは難しいことです。
 評価する人も評価されるということです。

▼弘光弘−詰め上がりが予想しやすいので楽しく解ける。

▼観月愛−初心者にはこのくらいがいい。

▼宮谷保司楽−詰め上がりがこれしか考えられなかったので、それが思いつかなかったB1に悔いが残る。

▽わたしもB1の形で持駒飛5にできたらと思ったのですが、それだと左右と上下対称の簡単な余詰。


A2 神無次郎
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97飛、87角合、同飛、18玉、54角、45角合、88王、28飛合 まで 8手

▼秋元節三−合駒なしの詰め上がりを予想したので易しかった。

▼池田俊哉−詰んでいるのかどうか一瞬悩む。

▼佐藤宣多−変身物のばか詰が久しぶりに解けました。

▼佐藤善起−ヒントでわかり易かったが最下段でなくても成立するのがミソ。

▼高橋耕之介−やさしいように見え、やってみましたが、どうしても10手から短縮できませんでした。(19飛19玉での自殺しか思い浮かべることができません)

▼積田隆介−王が派手にジャンプするというのがヒントになった。大駒4枚登場で手順全体も実に派手です。

▼原岡望−シンプルで楽しい。

▼原田清実−55玉を動かすには角をもらう→飛車は97に打つ→最後は89に利かすには、と考えて行ってようやく解けました。 5点。

▼弘光弘−4手目28でなくて18に行くのがポイント。

▼宮谷保司楽−王が派手にジャンプするというヒントでそれらしい答えが出てきた。

▽みなさんの短評で解説の必要がありません。さりげないヒントが効いて解答者が増加しました。評価は廃止しましたし、作品を解いて楽しんでいただける解答者が増えるのは好ましいので、こういったヒント付きの作品もまた出題してみたいと思います。
 次郎氏は安北の好作をまだ大量にストックされておりますので、乞ご期待!

▼神無七郎−上下反転して安南にした方が良かった。出題前に気づいていれば!

▽安南と安北は上下の裏表。成程、安南だと、更に飛生が限定できる。


A3 神無太郎
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17飛、18角、35飛、36角打、13飛生、26玉、17飛生、58角寄成 まで 8手

▼秋元節三−58歩が49か69にあれば解けたんだが。

▼池田俊哉−角が横っ飛びになるのが何ともユーモラス。

▼久後生歩−一手一手がすごくダイナミック。これが背面の特徴か。

▼佐藤善起−こういう飛の動きは考えていながら、とっつきにくく、難解だった。

▼弘光弘−飛不成2回がとてもいい。

▽飛車が角行を次々と発生させて、華麗に軽やかに玉の回りを一周する。よくできた寸劇かマジックを見るようで心地好い。燕返しか、メリーゴーランドか。背面の特徴で当然とはいえ、飛角がそれぞれの動きを交換して飛び回るのが楽しい。担当子は竜巻かポオの「大渦巻」を思い起こした。舞台へ観客から「よっ」と声が掛かりそうだ。このテーマでは手堅くまとまっていて、ほぼ完璧ではないか。

▽もっと王を遠くにやって、もっと大きく回りたいのだが、それは盤が十段ないと不可能だ。また、58歩がないと65飛55角同飛14玉13角47玉57角成58銀などといった簡単な余詰があり、58歩一枚ですべての余詰を防いでいるところに作者の冴えをみる。 

▼神無七郎−10人のうち10人が、まず横からの飛打を考えるのではなかろうか。Aコースにあるのが不思議なくらいの問題。

▽B2と並べておくわけにはいかないし。ましてや没の作品では決してないし、単なる出題の都合でAコースに回っただけです。

▼神無太郎−対面版とあわせて『チューブラーベルズ』、『チューブラーベルズU』と呼んでいた。本家が『チューブラーベルズV』をリリースしてしまったので、もう1局作らないと。(『オーケストラル〜』はどうしたとは聞かないように)


B1 神無三郎
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37角、58玉、69角、同玉、47角、58角合、78角、68玉、46角、77玉、55角打、76玉、67角、同角成 まで 14手

▽A1の姉妹局。当初58玉の配置が七郎さんに59玉を指摘されて。。この図で完全なのはラッキー。

▼秋元節三−タテは易しいのにヨコはどうしてこんなに難しいのか。

▽ヨコじゃなくて、ナナメなんですが。。

▼佐藤善起−超難解で解後感のよい作。

▼高橋耕之介−67角型か45角型か、45角型な玉が行って戻ってこなければならないので14手では詰まない。

▼観月愛−58玉型でなく59玉型にしたことでパズル性が出た。

▼駒井信久−この詰め上がりは予想しなかったので大いに悩む。A1との関連を考えればよかった。

▽A1よりは詰め上がりを想定しにくかったかもしれません。しかし、基本的な考え方は一緒で、一枚玉方に渡して、合駒をさせて、その駒でトドメを刺してもらう、といったストーリーでした。
 皆さんももっと持駒の制限を越えた作品をつくってみてください。


B2 神無太郎
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98飛、99桂打、13飛、23角打、99王、97香打、96桂、89香成 まで 8手

▽A2と同じ、というヒントが要りましたかね。
 A1-B1、A2-B2、A3-B3、同じような感じの作品を集めてみました。
 22王のままでは自殺し難いので、どこかに移動する必要があるのは見当がつくでしょう。99が一番怪しい。13飛23角合は発想の原点。その前の準備工作で98飛に対する99桂は意味深長。王が移動した直後の香合は飛が出揃っているので限定合、とここまで推理して、まわしに手がかかる。

▼秋元節三−A3を解いてからと思っているうちに。

▼塚越良美−42歩がなければ、92飛43玉52飛成53桂合13飛34玉23飛成同桂でピッタリなのだが。難しい。わからない。

▽実は42歩を除くと塚越さんの解と太郎氏の解と2解しかないのです。ここが発想の原点なのでは、と密かに推理してみます。 

▼神無七郎−1つスペースを空ける飛の限定打、桂背打、王を飛ばしてのに背駒外し。背面ルールを最大限に活用した妙手の塊。

▼神無太郎−パラ91年9月号の南喜代子氏の作(対面ば自8手)がベース。王の移動を最大に、初形でとどめ用の駒は盤上に配さない、というのが作図の目標だったが、ルールを背面にしただけであっさり実現できてしまった。作り手の立場からすれば少々ものたりないぐらいである。自然な2手逆算も可能なので、暇な人は研究してみてください。

▽まずは傑作誕生。恐らく、一族の中で電脳と創作頭脳との止揚が一番きっちりとなされているのは、太郎氏であろう。fmの操縦法はまさに芸術的です。
 続いては七郎氏と大九郎氏。三郎は電脳と創作頭脳の使い方が一番気まぐれです。

▽2手の逆算も担当子も考えてみたけれど、単純に22王42歩,93玉 持駒飛10手ではなさそう。。96飛95角同飛94飛66角67桂打同飛83玉23飛同桂生といった余詰がすぐに目がつくが。。真相は?


B3 神無七郎
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▼秋元節三−マドラシでは不可能だと思うんだが。

▼塚越良美(誤答)−51金42玉52金43玉53金32玉43金22玉33金12玉23金24金合同王21玉12金行13金合同王32玉33金23金合31金33玉まで22手詰

▽最終手より22金寄で不詰。

▼駒井信久−11で詰まそうとするとどうしても24手かかる。別の詰め上がりを目指してからも2手短縮に苦労。

▽皆さん苦心されたようです。それでは正解をどうぞ。

正解=31金、42玉、32金、43玉、33金、23金、同王、44玉、43金、35玉、25金、14金、同玉、45玉、35金、25金、44金、35玉、34金、23金、46金、34玉 まで 22手

▽金1枚では自殺できないので、駒を入手する必要があります。盤面には駒が落ちていない。どうするか?マドラシの特徴で同種の駒でしびれさせて、その駒を王で取ることになります。そう考えると最初の5手は必然で23に金を打たせ、王で取る。14に駒を打たせまた取る。玉方に金を4枚打たせるのと最終手直前の46金打の限定も気が利いています。

▼神無七郎−持駒金1枚の条件でマドラシば自を全検した中から気に入った作を選びました。ですから「神無七郎作」というより「神無七郎 調査・選題」と言った方が正確かも知れません。

▽全検といっても、この作品が見つかったのはひとつの奇跡。
 どういった条件で全検しようか、という感覚もひとつの才能でしょう。


B4 神無大九郎
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▽手順解説のため、便宜上、95金=A、77金=B、99金=Cとします。

96A、75鳳、85A、97鳳、98C、96鳳、86B、78鳳、88C、79鳳、78C、97鳳、96B、98鳳、88C、76鳳、77C、98鳳、97B、88鳳、78C、89鳳、79C、99鳳、98B、77鳳、88B、99鳳、89B、77鳳、78B、76鳳、75A、98鳳、89C、97鳳、88B、96鳳、97B、95鳳、86B、77鳳、88C、99鳳、98C、77鳳、76B、78鳳、88C、96鳳、97C、78鳳、77B、88鳳、98C、89鳳、99C、79鳳、78B、97鳳、88B、96鳳、97B、95鳳、86B、77鳳、76B、95鳳、85B、77鳳、76A、78鳳、77A、96鳳、95B、97鳳 まで 76手

▽才気を感じさせるテーマと配置で、まず解いてみようという気にさせるところがまたいい。最終的には95の金と77の金を入れ替えるのだが、その手順がすばらしい。初手は2通りあるのだが98からの手がすぐに千日手模様で切れてしまうので、96からしかないのはすぐに判る。95-85とAを動かして、手が続きだして局面がほぐれていく。あとは試行錯誤の連続だが、千日手の性質上、最終目標局面が最初の局面なので、最終直前は85金→95金、96鳳→97鳳しかないことがわかる。さらにその前は鳳78にいて76金が77に引いたらしい。。清算と逆算とを組み合わせて、そこに推理を働かせて解いて行く。解くというよりも何か詰将棋つくっているような錯覚に陥ったのはわたしだけだろうか。最終局面でAとBが入れ替わっているのを決め打ちさえすれば、ひたすらAを77に運ぶ作業となり、それに付随するBとCの細々した動きは必然となって昇華するのである。これは解かなきゃ損の作品でした。

▼秋元節三−根気より記憶力の問題みたい。

▼積田隆介−最初に77金を86−96−97と動かしていく手順に気づかず、手順の短縮に苦労した。受験勉強の合い間に手を出したら、いつのまにか、これを解く合い間に勉強をするという生活になってしまいました。なんにせよ解けてよかった。

▽これで合格していただければ、何もいうことがありません。

▼神無七郎−(OFM121の解答として送った感想)収束20手くらいは逆算でわかるので、あとはそれ(つまり金のひとつを7五に据えた局面)を目標にひたすら試行錯誤するしかない。手順には趣向性もあるが、「千日手」は「詰」に比べると達成感がいまいち。

▼駒井信久−逆算で得た局面に正算で辿り着き、あとは手数短縮を考えて解いた。途中で左右対称の手順が現れるのが面白い。

★正式手順 「」の中が駒井氏指摘の左右対称の手順。

96金 75鳳 85金 97鳳 98金 96鳳 86金上 78鳳

「88金 79鳳 78金 97鳳 96金 98鳳 88金 76鳳 77金 98鳳 97金 88鳳 78金 89鳳 79金 99鳳 98金 77鳳」

88金寄 99鳳 89金引 77鳳 78金左 76鳳 75金 98鳳 89金 97鳳 88金寄 96鳳 97金 95鳳 86金

「77鳳 88金 99鳳 98金 77鳳 76金寄 78鳳 88金 96鳳 97金 78鳳 77金 88鳳 98金 89鳳 99金 79鳳 78金 97鳳」

88金寄 96鳳 97金 95鳳 86金 77鳳 76金寄 95鳳 85金上 77鳳 76金 78鳳 77金 96鳳 95金 97鳳 まで 76手


総評など

▼天沢宗栄−あのう、他が全然見当がつかないんですけど。 

▼池田俊哉−B級はお手上げです。残念。初級しかできなかったのは悔しい限り。

▼久後生歩−今月はあまり余裕がなく、これだけで精一杯。いつか全題正解できる日をめざして少しずつ解答していきたいと思っています。

▼佐藤司−大道棋とデパートに時間を取られ、とてもこのコーナーまで足が伸ばせません。こんな終わり方にしたくはなかったのですが。。。

▼佐藤宣多−というわけで、今月はここまでです。あとはゆっくり鑑賞することにします。

▼守護主天−はじめまして。一題のみですが解答させていただきます。ほか6問は手がつきませんでした。フェアリーで腕を磨いてまたチャレンジします。

▼高橋耕之介−三日間程頭の中をFLモードにしてみましたが、頭が柔らかくなりすぎました。あまり早くFLモードにすると詰将棋が詰みませんしね。

▼半裸一族−残念ながら一作のみ。

▼宮谷保司楽−結局ここまででした。心に余裕のない今はつらいです。

▽解けなかった方は、是非、解説を読みながらもう1度考えてみてください。

全題正解者
駒井信久★
4題
佐藤善起★
3題
池田俊哉、積田隆介★、弘光 弘、
2題
秋元節三、久後生歩、佐藤宣多、高橋耕之介、塚越良美★、原田清実、観月 愛、宮谷保司楽
1題
天沢宗栄、上田安夫、守護主天★、千葉 肇、縫田光司、半裸一族、原岡 望
0題
佐藤 司

★印当選者(図書券とofm全号のFD)


付録【氾濫歴代当選者一覧】

第1回
宮谷保可楽 加賀孝志 天光正 山本和夫
第2回
吉村信夫 塩田洋 はやし
第3回
市川博規 藤澤秀樹 魚住貴範
第4回
駒井信久 パブ犬田 桝田隆行
第5回
久保貴史 大和敏雄 須藤大輔
第6回
駒井信久 佐藤善起 花田勉
第7回
岩本修 佐口盛人 原田清実
第8回
花田勉 秋元節三 観月愛 池田俊哉 岩本修
祝賀詰
池田俊哉 岩本修 山中通 弘光弘 大辻勝也
第9回
池田俊哉 中村剣 半裸一族 須川卓二 久保貴史
第10回
駒井信久 佐藤善起 積田隆介 塚越良美 守護主天
[*]

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