ル ー ル 説 明
普通詰棋派にとって取っ付きにくいのは、フェアリーの「変則的」ルールだと思われる。そこで、特に項を設けて便を図ることにした次第である。
ただし、本項はフェアリールールの網羅を目的としたものではないので、説明は本作品集の収録作に関するものを主とし、敢えて触れないで済ませたものも多いことをお断りしておきたい。
また、作品鑑賞を目的としたものでもないので、例題として取り上げた作品の狙い(見所)については、ほとんど触れていない。触れたとしても、※印で付記する程度に留めておいた。
■ | 【詰】 | 後手の玉を詰める。 |
■ | 【自殺詰】 | 先手の玉(=王)を詰める。 |
普通詰棋においては、敵玉を詰めることは自明の理であって、あえてその「目的」を云々するに及ばないが、フェアリーにおいては、「詰めること」以外の目的を有する作品(千日手、ステイルメイトなど)も存在する。
ここでは目的を「詰めること」に限定して話を進めるが、次に問題となるのが、詰める「対象」は何かということである。これも普通詰棋においては、「敵玉」に決まっているのであるが、フェアリーでは「自王」を詰める(「詰めさせる」と言った方が適当か)作品も存在し、これを「自殺詰」と呼ぶ。なお、前者については「詰」とだけ表記している。
さらに付言しておくと、「目的」だけでなく「義務」の問題もある。普通、先手には「王手をする」という義務が課せられているのだが、フェアリー(やチェス)においては「王手義務」を要求しない作品もある。しかし、煩雑を避けるため、今はその事実を指摘するに留めておく。
■ | 【かしこ】 | 先手は最短で詰みに至る手を、後手は最長で詰みに至る(できるだけ詰みに至らない)手を選択する。 |
■ | 【ばか】 | 先手も後手も、最短で詰みに至る手を選択する。 |
「最短」「最長」というのはその手を選んだ結果を意味するのであって、「詰める」という観点からは、「詰みに向かう」「詰みから遠ざかる」という表現の方が感覚的にわかりやすいかも知れない。
「ばか」は、詰みに向かって先手後手双方が協力するという観点から「協力」とも呼ばれる。
「ばか」+「詰」なので、先後双方が協力して最短手数で、後手玉を詰めることになる。
普通詰棋では到底詰みそうもない(というか絶対詰まない)局面でも詰みがあるので最初はとまどうかも知れないが、後手玉を詰めるという点は変わらないので意外と慣れやすいはずである。
さて例題だが、手順の方は追っていただければ理解できると思うので、ここではフェアリーにおける解の厳密性について述べたい。
フェアリー作品は、普通作とは違って、詰手数を表示して出題される。このことは、普通詰棋とフェアリーとの根本的な違いを象徴しているように思われる。つまり、いずれにおいても、@持駒が余らず、A唯一の手順で、B詰む、ということが完全作の条件として求められているのだが、どこをより重視するかという点に両者の違いがうかがわれるのである。端的に言うと、普通詰棋はBを、フェアリーはAを重視しているように思われる(誤解がないように念のため言っておくが、この重点の置き方の違いはあくまで相対的なものであって、他の条件を全く軽視しているというわけではない)。
これは、作品を解く者に何が要求されているかを考えると、よりはっきりするだろう。すなわち、普通作においては、それが詰む(あるいは詰まない)ことの証明が第一に要請されるが、フェアリー作品、例えば「ばか詰」においては、詰むのは当然として、表示された手数の詰手順が最短でしかも唯一であるかどうかの証明が要請されているのである。
したがって、「ばか詰」においては、表示手数と同手数以内の詰み(同手数駒余り、同手数駒余らずも含む)は御法度であるが、表示手数より長手数の詰みはいくつあっても構わないことになる。また、普通詰棋においてはキズ程度で済まされる着手非限定についても、フェアリーでは原則として御法度である(長編作においてはある程度容認されているが、それでも大きな減価事項となる)。
このように、フェアリー(特に「ばか」)では解の厳密性が要求されている。作る者にとって、それは足枷とも言えるが、一面、純粋な表現を可能にしているとも言えるのである。
「ばか」+「自殺詰」なので、先後双方が協力して最短手数で、先手玉(=王)を詰めることになる。この場合、詰手数は偶数となる。
後手玉を詰めようとしているはずの先手の王が逆に詰まされるようにもっていくという、通常とは異なる感覚が必要とされるので、普通詰棋派にとってはなかなか慣れるのが難しいルールかも知れない。先手の王手は後手玉を詰ますためではなく、結果的には自玉(=王)を詰ますための準備に過ぎない点に注意したい。
さらにこのルールでは、先手には王手義務があるが、後手にはその義務がないことにも注意しておくべきである。
例題でいうと、先手の着手はすべて後手玉への王手となっているが、後手の応手は(最終手を除いて)先手玉への王手となっていないことを確認してほしい。もちろん、王手義務がないからといって、王手をしてはいけないということはない。後手の途中の応手は先手玉への王手であっても(なくても)構わないのである。
詰みに至る手数が「最短」か「最長」かという観点で手を選ぶとき、先手後手双方に2通りの選択権が与えられるわけだから、合わせて2×2=4通りの組合せが成立することになる。
このうち、先手最短+後手最長=かしこ、先手最短+後手最短=ばかについては既述の通りだが、これ以外に先手最長+後手最短および先手最長+後手最長という組合せも成立し、前者を「最悪」、後者を「悪魔」と呼ぶ。
ばかでは、「無駄合」という概念は存在しない。合駒の余地がある限り、それはすべて「有効」なのである。したがって、まだ合駒が利く場合は詰みとは見なされないことになる。
例題を見てみよう。まず【ばか詰】の方だが、最終手は39に限定されている。49以遠に打つと、後手側に合駒する余地が生じるからである。
次に【ばか自殺詰】の方は、5手目45香の限定打がポイントである。これを49香などとすると、最終57同飛成に対し47香の移動合が生じてしまう。これでは詰んでいないことになるわけである。なお、この例題の詰上りは、いわゆる「すかし」である(厳密に言うとそうではないが、47地点に後手の駒が利いていても事情は同じなので、「すかし」と表現しておく)。ばかにおいて「すかし」は合駒の余地がある限り成立しないのだが、この場合のように持駒がなくなっていれば「すかし」詰もあり得るのである。
完全作の条件の一つとして、詰みに至る手順が「唯一」であることを挙げたが、同手数の解を複数求める出題形式もある。その場合、「2解」などと求める解の数を添えて出題される。もちろん、単に同手数の解が複数あるだけでは意味はなく、それぞれの解に連関性・対比性があることが必要とされる。というより、複数の解同士が相補うことでより豊かな表現を目指していると考えることもできよう。
これと同じような効果を狙ったものに「ツイン」がある。ただ、「2解」が同一条件(図面・持駒)のもとで同手数の解を2つ求めるのに対し、「ツイン」は近似する2局の組合せにおいて解の連関性・対比性を見せようとするものである。この場合、「近似」とは、普通は配置が一か所違うことを意味するが、他にも図面を左右に平行移動したり、図面は同じで持駒だけを変えたりすることもある。「ツイン」では、出題図を a) とし、b) としてその異同を付記するのが通例である。
■ | 【安南】 | 味方の駒が縦に並ぶと、上の駒の利きは下の駒の利きになる。 |
■ | 【安北】 | 味方の駒が縦に並ぶと、下の駒の利きは上の駒の利きになる。 |
■ | 【対面】 | 敵駒と向かい合うと、互いに利きが入れ替わる。 |
■ | 【背面】 | 敵駒と背中合わせになると、互いに利きが入れ替わる。 |
■ | 【天竺】 | 王手されると、玉が王手した駒の利きになる。 |
■ | 【マドラシ】 | 同種の敵駒が互いの利きに入ると、利きがなくなる。 |
■ | 【キルケ】 | 駒が取られると、指将棋の開始時にその駒が置かれていた位置に戻される。小駒は指し始め位置が複数あるが、そのうち取られた地点から最も近い位置に戻される。 |
これらの性能変化系のルール(キルケを除く)で注意しなければならないのは、駒の性能(利き)が変化するのであって、駒自体(の種類)が変化するわけではないことである。したがって、性能変化をもたらした状態が解消されると、利きは本来のものに戻ることになる。
【安南】と【安北】は対になるルールである。これらは、味方の駒が縦に並んだとき、性能変化が起こる。
2つの駒が縦に並んだときの利きを示すと、
(味方から見た駒の位置) | (安南での駒の利き) | (安北での駒の利き) | |||
A | B | A | |||
B | B | A |
となる。【安南】は「南=下」の駒の利きに、【安北】は「北=上」の駒の利きに変化すると覚えておけばよいだろう。
念のため、3つの駒が縦に並んだときの駒の利きについても示しておく。
(味方から見た駒の位置) | (安南での駒の利き) | (安北での駒の利き) | |||
A | B | A | |||
B | C | A | |||
C | C | B |
すぐ上またはすぐ下の駒の利きに変化することを確認されたい。
■ | 1手目 | → | 下の76龍の利きになる。 |
■ | 2手目 | → | 安南では歩や桂といった行動範囲の狭い駒の上に玉をもってくるのが常套手段である。それを見越した合駒。 |
■ | 5手目 | → | 46玉は歩の利きに変化しているため、前に一つしか動けず、これで詰みである。 |
■ | 1手目 | → | 66銀と左から入ってもよい。 |
■ | 5手目 | → | 上の王の利きになる。 |
■ | 7手目 | → | 下の45銀が王の利きになる。 |
■ | 11手目 | → | 下の56銀が王の利きになる。 |
■ | 12手目 | → | 55王は上の54歩の利きになっているため、これで詰みである。安北では歩や桂といった行動範囲の狭い駒の下に玉(王)をもってくるのが常套手段である。 |
【対面】と【背面】は対をなすルールである。これらは名称から、その内容がほぼ推測できるだろう。【安南/安北】が味方の駒が縦に並んだとき性能変化が起こるのに対し、【対面/背面】は敵味方の駒が縦に並んだとき(向かい合ったり、背中合わせになったりしたとき)性能変化が起こり、しかも双方にそれが起こることに特徴がある。図示すると、以下のようになる(赤字は敵の駒)。
(味方から見た駒の位置) | (対面での駒の利き) | ||
A | B | ||
B | A |
(味方から見た駒の位置) | (背面での駒の利き) | ||
A | B | ||
B | A |
■ | 2手目 | → | 87角の利きを変えることによって王手を防ぐ。このような応手(駒)を「対駒」と言う。 |
■ | 3手目 | → | 87角は飛の利きになっているため、このように動ける。 |
■ | 5手目 | → | 53玉と向かい合うことによって玉の利きになる。 |
■ | 6手目 | → | 53玉は角の利きになっているため、このように動ける。 |
■ | 7手目 | → | 53玉が移動したことにより本来の利きに戻ったため、このように動ける。86飛と向かい合うことによって飛の利きになる。 |
■ | 8手目 | → | 86飛は角の利きになっているため、このように動ける。これで、39王は逃げ道がなく、また49に打つ合駒も持たないので、詰みである。 |
■ | 2手目 | → | 17飛の利きを変えることによって王手を防ぐ。このような応手(駒)を「背駒」と言う。 |
■ | 3手目 | → | 17飛は角の利きになっているため、このように動ける。 |
■ | 4手目 | → | 再び角の「背駒」。 |
■ | 5手目 | → | 35飛は角の利きになっているため、このように動ける。「生」とする理由はあとで。 |
■ | 7手目 | → | 18角と背中合わせになることによって角の利きになる。5手目で「成」としていたら、ここで17龍となるため、最終手が王手放置となってしまう。 |
■ | 8手目 | → | 18角は飛の利きになっているため、このように動ける。動くと同時に17飛による王手を解除している。36角のヒモが付いているので、これで詰みである。 |
【天竺】は玉が自由自在に動き回る様が孫悟空のキントウンを連想させることからそのように名付けられたそうだが、相手の駒の動きを反射するという意味で【鏡】ともいう。
なお、両王手の場合は、玉は2つの王手駒の利きを併せ持つことになる。
■ | 1・2手目 | → | ともに先を見越した限定打。 |
■ | 4手目 | → | 王手された角の利きになっているため、このように動ける。 |
■ | 6手目 | → | 11王は角の利きになっているが、44同王と取ることもできず、また逃げ道もないので、これで詰みである。 |
【マドラシ】は相手の動きを止める呪文のようなものか。同種の駒同士の利きが消滅する様を、俗に「石になる」とか「感電する」とか称している。この「同種の駒」に玉を入れるかどうかで、2種類の定義が考えられる。玉を入れる方を【K(キング)マドラシ】、入れない方を単に【マドラシ】と呼んでいる。なお、「同種の駒」というとき、完全に同種である必要がある。たとえば「と」と「歩」や「と」と「金」では利きが消滅することはない。
■ | 2手目 | → | これにより12金(および21金)の利きが消滅。 |
■ | 4手目 | → | これにより12玉(および21王)の利きが消滅。この手ができるのも【Kマドラシ】だからである。普通の【マドラシ】では玉同士は利きが消滅しないので、このように玉同士が接触する手はできない。 |
■ | 5手目 | → | 玉同士が感電して石になっているため、この王手に対して12玉は動けない。よって、詰みである。 |
■ | 1手目 | → | いきなり23角成でもよさそうだが、それだと14角成で逃れ。 |
■ | 2手目 | → | これにより13飛(および14飛)の利きが消滅。 |
■ | 4手目 | → | これにより23馬(および56馬)の利きが消滅。56角成は成限定である。 |
■ | 5手目 | → | これに対し、34に合駒を打つ(または34桂と移動合する)のは23馬の利きが復活するので無効。また、14飛・56馬はともに石になっていて34に動けない(仮に34飛とできても無効だが)。さらに玉も感電していて動けないので、詰みである。なお、この香打は35地点に限定される。36以遠に打つと35香と応じられ、手が続けられなくなるからである。 |
【キルケ】は「魔女」を意味するらしい。一度死んだ駒が生き返る様を言い表したものか。このルールは、駒が復活するだけで駒の性能が変化するわけではない(成駒→生駒という違いは除いて)のだが、便宜上ここに分類した。
【キルケ】については、注意すべき点が多い。以下、それを箇条書きにしてみる。
・ | 成駒は生駒として復活。 | ||
→ | 成駒が取られた場合、生駒として復活する。 | ||
・ | 戻されるのは、取られた地点から最も近い指し始め位置。 | ||
→ | 金銀桂香なら2か所、歩なら9か所、指し始め位置があるが、そのうち取られた地点から最も近い場所に戻される。 | ||
・ | 復活可能な位置が2つある場合は、戻す位置の選択は取った側が行う。 | ||
→ | 5筋で取られた金銀桂香は、最も近い指し始め位置が2か所ある。そのうちどちらに復活させるかの選択権は、駒を取った側にある。 | ||
・ | 戻せない場合は、取った側の持駒になる。 | ||
→ | 「戻せない場合」というのは、復活位置にすでに駒があったり、復活させたとき二歩となる場合である。 | ||
・ | 逆王手がかかる場合は、駒を取れない。 | ||
→ | 取られた駒が復活したとき、取った側の玉に逆王手がかかる場合、その駒を取ることはできない。これを利用した詰上り多し。 |
■ | 4手目 | → | 先手の28金が取られたので、28地点から最も近い指し始め位置=49に金が復活。復活位置は駒取りの手の後に / で続けて書く。復活した分は詰手数として数えない。 |
■ | 8手目 | → | 先手の27金が取られたので、27地点から最も近い指し始め位置=49に金が復活。 |
■ | 12手目 | → | 先手の37金が取られたので、37地点から最も近い指し始め位置=49に金が復活。 |
■ | 21手目 | → | 38同玉と取ると、49金と復活して逆王手。また、26歩または36歩を取ると、27歩または37歩と復活して逆王手。したがって、後手玉は38金を取ることもできず、また逃げることもできないので、これで詰みである。 |
■ | 3手目 | → | 後手の飛が取られたので、指し始め位置=82に飛が復活。 |
■ | 4手目 | → | 先手の角が取られたので、指し始め位置=88に角が復活。 |
■ | 6手目 | → | 先手の55金が取られたので、55地点から最も近い指し始め位置=69に金が復活。この場合、49に戻すこともできるのだが、先手王を詰ますのに有利な69地点を、取った側の後手が指定している。 |
■ | 8手目 | → | 88同王と取ると、82飛と復活して逆王手。また、先手の角が取られたが、88には駒があるため復活できない。したがって、これで詰みである。69金が王の退路をふさいでいることに注目されたい。 |
■ | 3手目 | → | 後手の飛が取られたので、指し始め位置=82に飛が復活。 |
■ | 4手目 | → | 先手の16香が取られたので、16地点から最も近い指し始め位置=19に香が復活。 |
■ | 5手目 | → | 後手の角が取られたので、指し始め位置=22に角が復活。 |
■ | 7手目 | → | 後手の飛を取ったのだが、82地点にはすでに駒があるので復活できない。そこで、取った側=先手の持駒となる。 |
■ | 11手目 | → | 29同玉と取ると、28飛と復活して逆王手。また、17香を取ると、19香と復活して逆王手。したがって、これで詰みである。 |
【安南/安北】【対面/背面】などでは、通常ルールで「行き所がない」とされる駒でも性能変化により「行き所」が生じる可能性がある。たとえば、【安南】【背面】では、一段目の桂香歩や二段目の桂でもそのすぐ下に適当な駒が来れば動くことができるようになるし、【安北】【対面】では、二段目の桂でもそのすぐ上に適当な駒が来れば動くことができるようになる。
このように、通常ルールで「行き所がない」として禁じられた着手(駒)でも性能変化により利きが生じる可能性がある場合は、それを認めるのが一般的である。
【キルケ】ルールを玉(王)にも適用して、玉(王)が取られても復活できるので詰みではないと定義することも可能である。このルールを【K(キング)キルケ】という。
■ | 【打歩】 | 打歩で詰めなければならない。 |
■ | 【取禁】 | 駒を取る手を禁止する。 |
歩を打って詰める、いわゆる「打歩詰」は通常ルールでは禁じられているが、逆に最終手を【打歩】に制限し、【打歩】以外の詰みを禁止するルールである。
■ | 17手目 | → | 最終手は「打歩」である。というか、これ以外の詰みは「反則」である。 |
■ | 2手目 | → | 同角右生も可。5筋を軸とした左右対称形なので、着手非限定というわけではない。「右生」の場合、3手目は67金、7手目は47金となる。 |
■ | 9手目 | → | これに対して同馬と取れそうだが、そうすると先手の王が詰んでしまう。ところがそれは「打歩詰」ではないので禁手。つまり、後手は58歩を取れないわけで、これで詰みとなる。このようなルールを逆用した詰上りを「法則型」と称する。 |
【取禁】は「取駒禁止」の略で、先手に適用する場合、後手に適用する場合、先手後手双方に適用する場合が考えられる(後手に適用した作品を作るのは、実際には困難だろうが)。詳しい説明は必要ないと思われるので、例題は省略する。なお、詰みの状態については以下のように扱う。
■ | @ 先手に適用する場合 | → | 通常の詰みと同様。 |
■ | A 後手にも適用する場合 | → | 駒を取る以外に詰みを回避できない局面も詰みとする。 |
以上でルール説明を終わるが、最後に複合ルールの呼称について触れておく。すでにお気づきと思うが、原則として、上の1〜4の項目を逆にたどって名付けられる。すなわち、3(または4)+2+1の順である。たとえば、「安南+ばか+詰」→「安南ばか詰」といった具合である。ただし、「かしこ」は「ばか」と区別するために特にこう呼ばれるのであって、通常は省略されることが多い。たとえば、「安南かしこ詰」は普通は単に「安南詰」という。
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