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解答

 


1998.6.01出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 

 前回の出題に引続き、密室型のばか自殺詰の出題です。詰将棋パラダイス6月号掲載の「第九回 神無一族の氾濫」の練習問題と考えて下さい。

 本作は前回の出題作の応用問題です。攻方の玉には3九と2九の2箇所の逃げ道があるので、両方をなんとか抑えなくてはいけません。前回は馬と銀のコンビで詰め上げましたが、今度は別の組み合わせが必要です。

【ルール説明】

【詰手順】

27飛 26飛 同飛 15玉 17飛 16銀 同飛寄 25玉 27飛 26銀
同飛寄 15玉 17飛 16銀 同飛寄 25玉 27飛 26角 15飛 同玉
17飛 16飛 同飛 25玉 15飛 同角 27飛 26飛 16銀 同玉
25銀 同飛 26飛 同角 17銀 同角成 まで 36手

 

【解説】
 攻め方の王には39と29の逃げ道があり、両者をどうやって塞ぐか問題です。39への脱出は17角or馬で防げるとして、同時に29への脱出を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。もし角がもう1枚あれば、18地点に角を送りこむことができますが、残念ながらもう1枚の角は23地点に配置済み。しかし、手段がないわけでありません。上の詰め上がり図のように飛角の両王手の形を作れば39と29の逃げ道を同時に塞ぐ事ができるのです。
 後はそこに至る具体的な手順を求める作業ですが、ポイントは角の発生時期と、その角を一旦15に待避させておくところでしょうか。

【正解者のコメント】 

Satoshiさん:

こういうタイプのを解くのは初めて(?)だが思ったより易しかった。手順限定を前提にすれば銀捨てより先に角をセットしなくてはならないと知れる。

 

 さすがに実力者の Satoshi さん、余裕の解答です。「氾濫9」への解答もよろしくお願いします。

 さて、次回は易しい問題を予定しています。今回解けなかった皆さんも、ぜひチャレンジして下さい。

 

(1998.6.22 七郎)


1998.5.04出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 

 皆様、詰将棋パラダイス5月号の「赤木誉幸 結婚祝賀詰」いかがでしたでしょうか? まだご覧になっていないようでしたら、ぜひ解いてみてください。

 この祝賀詰に引き続き、6月号には恒例の「神無一族の氾濫」を出題する予定です。我々は過去8回「神無一族の氾濫」と称する特別出題を行ってきましたが、今度の9回目の「氾濫」は間違いなく最高の選題になっていると思います。フェアリーファンの方は今から期待していて下さい。

 さて、本作は次回の「氾濫」に向けた練習問題の出題です。実際に出題される問題に比べるとかなり易しい問題です。
 この作品の構図に見覚えのある方もいるかもしれませんが、実はこれ神無三郎氏作ばか自殺詰 36手 「星姫」(1994年6月詰将棋パラダイス 「
第2回神無一族の氾濫」)のミニ版なんです。ですから「神無七郎作」というより「アレンジ:神無七郎」とした方が正しいかもしれません。

【ルール説明】

【詰手順】

28飛 27飛 同飛 16玉 19飛 18香 同飛 17銀 26飛 同玉
28飛 27桂 同飛 16玉 28桂 同銀生 19香 18角 17飛 26玉
27飛 同角成 まで 22手

 

【解説】
 玉が動けるのは26と16の2箇所のみ。この密室を崩すのは不可能なので、ここに玉方の駒を追加して詰上りを作るしかありません。攻方の玉形を見ると、49への脱出口が見えているので、27あるいは16に角または馬を据えて詰上げるというのは見当が付けやすいと思います。もうひとつ39地点への脱出口も見えていますが、この地点を27桂で塞ぐと角の邪魔になりますし、28金では王手になってしまいます。もう一枚の角は47に配置されてしまっているので、結局ここは28銀で塞ぎます。
 このように詰上りを正しく想定することが、このテの作品の解図には近道なのですが、慣れないうちは、その想定自体が難しいと思います。そういう場合はとりあえず駒を動かしてみると、だんだん詰上りが見えてくる場合があります。それでも分からない場合も往々にしてあるのですが、これはもう慣れしかないでしょう。特に、狭いスペースで千日手を避けながら、切れないように手を繋いで行くテクニックは、何作かそういう作品を解いたり鑑賞したりしないと身に付きにくいと思います。
 ということで、次の出題も密室型の例題とする予定です。「氾濫」に備えて十分練習して下さい。

 

 

(1998.5.25 七郎)


1998.4.05出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 詰将棋パラダイス1995年12月号に「神無一族の氾濫番外:神無金四郎個展」と題し、電脳作家・神無金四郎作品の特集を組んだことがあります。
 コンピュータによって詰将棋を自動生成しようという、当時としては比較的新しい試みでしたが、変則詰将棋の世界の話のせいか、それほど注目を浴びなかったように思います。
 最近、普通詰将棋でも裸玉や金銀石垣図式などの条件作で自動生成の試みが始まっているようですが、一部の詰キストの過剰ともいえる反応(コンピュータが創作分野へ適用されることに対する強い嫌悪感の表明)を見ていると、「注目を浴びなくて助かったのかもしれない」と感じることもあります。

 さて、本作はその神無金四郎個展に漏れた作品。同じような詰上りが他にも多くあったのと、金の数が3枚という中途半端さのためにボツになりましたが、手順は悪くないはずです。

 

【ルール説明】

【詰手順】

28金 同玉 38金 17玉 28金 26玉 17金 37玉 48金 28玉
38金 29玉 28金 19玉 18金引 まで 15手

 

【解説】
 最初に金をあっさり捨ててしまうのがポイントで、その後は基本的な手順になります。
 不思議なことに金の無防備ばか詰は、金の数が多くなっても手数が長くならない傾向があります。
 「神無金四郎個展」を行った時は19と51の2箇所での詰上りからの逆算を調べたのですが、金4枚の最長手数と、金2枚の最長手数はともに19手でした(下図)。これは金が増えると逆算の幅が広がる一方で、余詰の可能性も増すためだと思われます。

 

(1998.4.29 七郎)


1998.3.15出題作の解答

祝!神無大九郎氏ご結婚

【ルール説明】

【詰手順】


53金 同玉 43香成 54玉 46桂 まで 5手

 

【解説】
 初形もハート、詰上りもハートの2段曲詰です。もちろん飾り駒はありません。
 「香の成がポイントです」とは作者の弁ですが、この言葉の意味は本番の祝賀詰の発表のときに明らかになるでしょう。奥様のお名前に関係がある、と言ってしまってはヒントの出し過ぎかな?

 

【正解者】 Tsukasa FUJITAさん (E-mail:nitro@ya2.so-net.or.jp  HP:http://www02.so-net.or.jp/~nitro/

 

(1998.3.30 七郎)


1998.2.14出題作の解答

【ルール説明】

  • 安北
     味方の駒が縦に並ぶと、下の駒の利きは上の駒の利きになる。
  • 【詰手順】


    19歩 17玉 18歩 16玉 17歩 15玉 16歩 14玉 15歩 13玉
    14歩 12玉 13歩生 22玉 12歩成 23玉 22と 13玉 23と 14玉
    24と 15玉 25と 16玉 26と 17玉 27と 18玉 26王 29玉
    28と 19玉 27王 まで 33手

    【解説】
     単純な一往復物。
     持駒が歩一枚しかないので、王が35地点に居たままでは全然詰みません。
     そこで、下の駒が上の駒の利きに化けるという安北ルールを生かして、玉を(下段でなく)上段に誘い出すことになります。

     なお、筆者はこの作の応用編と言える作をかつて詰パラに発表したことがあります。もちろん本作よりは高度ですが、基本的な構造は似ています。(※利き二歩有効ルール)

    16歩 28玉 29歩 37玉 38歩 36玉 37歩 35玉 36歩 34玉
    35歩 33玉 34歩 32玉 33歩生 22玉 32歩成 23玉 22と 33玉
    23と 34玉 24と 35玉 25と 36玉 26と 37玉 27と 38玉
    26王 29玉 28と 19玉 18と 29玉 17王 18玉 まで 38手

    (1998.2.28 七郎)


    1998.1.28出題作の解答

    【ルール説明】

  • マドラシ
     同種の敵駒が互いの利きに入ると利きがなくなる。この状態が回避されると利きは元に戻る。 nonKは王(玉)はその例外であることを意味する。
  • 【詰手順】

    52銀 62玉 51銀生 53玉 42銀生 31銀 同王 43玉 32銀 21銀
    同王 23銀 33銀成 同玉 22銀 11銀 同王 32玉 33銀生 22銀
    21銀 33玉 まで 22手

    【解説】
     持駒が小駒の銀だけ。これが普通のばか自殺ルールだと、合駒を発生させられないうえ、他に玉方の駒もないので、どうやって自殺するのか途方に暮れるところです。ところがマドラシルールの場合は、小駒の王手に対しても同種の駒を打って受ける手があるので、これが合駒と同じ役割を果たすことになります。
     持駒銀1枚・双裸玉という条件の「nonKマドラシばか自殺詰」は完全作が少なく、この詰上り以外の完全作は未だ見つかっていません。おそらく「全部調べる」以外にこの作を見つけ出すのは極めて難しいと思われます。
     なお、この作はさらに6手の逆算を行うことができます。

    85銀 83玉 74銀 72玉 63銀生 61玉 52銀生 62玉 51銀生 53玉
    42銀生 31銀 同王 43玉 32銀 21銀 同王 23銀 33銀成 同玉
    22銀 11銀 同王 32玉 33銀生 22銀 21銀 33玉 まで 28手

     

     難解な作品だったせいか、この作に解答を寄せていただいたのはYH氏1名。fmを使って144時間50分(!)もかけて答えを出してくれました。(難しい問題の場合は自力解答にこだわらずに、fmを使うことをお勧めします。)
     筆者がfmを使ってこの作の検討に要した時間は3時間12分でした。上の時間との差は、使用するメモリ量と“/Mオプション”の使い方にあります。“/Mオプション”の使い方については本HPにいずれ記事を載せる予定です。

    (1998.2.11 七郎)


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