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第23回
神無一族の氾濫
担当 神無七郎

 日本の将棋のユニークな特徴として真っ先に挙げられるのが「持駒」ルールです。取った駒を再利用できる「持駒」は、指将棋を非常に奥深いものにしただけでなく、詰将棋にも多大な恩恵を与えてくれました。詰将棋で「王手の連続」という制限があっても、手順に充分な複雑さを盛り込めたり、地味な駒でもある程度の離れ業を表現できたりするのは、「持駒」のおかげであり、日本の詰将棋がチェスプロブレムとは違った歴史を辿る決定的な要因となったと思います。特に長編志向の筆者などは、「持駒」の恩恵を最大限に受けている作家の一人でしょう。
 というわけで、今回の「氾濫」は「持駒」の有難味を明確に感じられる作品を並べてみました。中には持駒が制限されていたり、逆に持駒が過剰にあったりするものもありますが、それ以外はもちろん標準の駒数です。

〔駒の性能及びルールの説明〕

【G(グラスホッパー)】フェアリーチェスの Grasshopper。クイーン方向に駒(図の■印)を1つ飛び越え、その直後(図の○印)の位置に止まる。

(○がGの利き)

【打歩】打歩以外で詰ませる手を禁手とする。

【全取禁】駒を取る手を禁手とする。詰やステイルメイトの概念も駒を取れないことを前提とする。

【ばか自殺ステイルメイト】先後協力して最短手順で、攻方をステイルメイト(王手は掛かっていないが指し手のない状態)にする。

【マドラシ】同種の敵駒が互いの利きに入ると利きがなくなる。ただし、玉は互いの利きに入ることはできない。成駒と生駒は別の駒として区別する。

【グラスホッパー王】玉(王)がグラスホッパーの性能になる。

〔出題作についてのコメント〕

@は「打歩」の条件が攻方・受方両方に適用されます。

Aは単玉型のばか自殺ステイルメイト。要するに攻方が駒を取るしかない局面を作れば良いのです。駒数が若干多いですが、原稿の誤りではありません。

Bは今回唯一の「ばか詰」ですので、多くの解答を期待しています。

CとDはネタバレをしないようヒントは控えますが、明確なテーマを持っています。今回の出題は、全体的に前回の「氾濫」より難度が低いと思います。

  懸賞

▼ 締切6月末日。呈賞5名。解答は編集部または左記のアドレスへ
E-mail:k_7ro@abz.jp

▼ 評価点不要。短評歓迎。1題の正解でも呈賞の対象となるので、解けた分だけでも解答を送って下さい。

▼ ルールの詳細や例題などはOnsite Fairy Mate(http://www.abz.jp/~k_7ro)を参考にしてください。


@ 神無太郎 A 神無七郎「純度95.1」
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B 神無三郎『鶯狩』 C 神無太郎
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D 神無七郎  
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