「ねえ、ポアロ。犯人は一体どうやって犯行現場に凶器を持ち込んだのだろう。私には不可能に思えるのだが…」

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　これは８年前、詰パラ413号で当時のフェアリーランド担当者だった安永玲氏が引用した言葉です。この時に出題された小野小町・上田吉一両氏の打歩ばか詰は高級な「謎解き」で、密室に閉じ込められた玉に対する一見不可能な詰筋を探すというものでした。

　今回の氾濫はそのような謎解きの醍醐味を堪能できる作品が集まりました。どの問題も質の高さは折り紙付き。今までの「氾濫」の中でも最高の選題として、自信を持ってお勧めします。難解作が多いので、一題だけでも解けたら解答をお願いします。

〔出題作へのコメント〕

　�@�Aは結婚も決まり絶好調の大九郎氏の作品。氏は「なりなり」シリーズという密室パズル型の連作を続々と創作しており、今後もますます期待が持てます。

　�B�Cはその「なりなり」シリーズに触発された小五郎氏と三郎氏の作品。170手もの長手数を成立させる秘密を解き明かしてください。

　�Dは大御所十郎氏の大作。本作は後手の持駒が制限されています。盤上及び先手後手の持駒以外の駒は使用できないのでご注意ください。

〔参考〕

（詰パラ459号氾濫２−�B）

神無三郎 作 『星姫』

　密室型の参考作品として、第２回の氾濫で出題した神無三郎氏の『星姫』を紹介します。密室型の作品を解くコツは、「この地点への逃げ道はどうやって塞げば良いんだろう」という箇所を見つけることです。この場合は18の地点がキーポイントです。その逃げ道を塞ぐ手段として27角型を発見するのが第２の関門ですが、これが分かれば後は詰上りと、それに至る最短手順を選ぶ作業になります。

　今回の作品群はこの作よりも難しいと思いますが、皆さんの果敢な挑戦を期待します。

【ばか詰】先後協力して最短手数で受方の玉を詰める。

【ばか自殺詰】先後協力して最短手数で攻方の王を詰める。

【打歩】最終手は打歩詰でなくてはならない。

▼解答した作品には６段階の評価を付けてください。

▼締切６月末日

▼呈賞５名

▼Ｅメールでの解答も受け付けます。送り先は次のアドレスです。k_7ro@yk.NetLaputa.ne.jp

１．神無大九郎 『なりなり12』	２．神無大九郎 『なりなり10』
３．神無小五郎	４．神無三郎 『輪姫』
５．神無十郎

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