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解答

 


1998.12.07出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 今回は予定を変更してちょっと早めの出題です。次の作を年が変わる前に出したいので、ここ2回だけ出題のペースを早めます。解答期間は変わらないのでご安心下さい。
 さて、本作もばか自殺詰。出す出すと言っていた《8手ばか自殺詰の基本パターン》に則った作品です。双裸玉ではなく、攻方の龍が1枚置いてあるので、紛れが多くなっているかも知れません。

【ルール説明】

 

【詰手順】

16角 25飛 54龍 同玉 98角 87飛 27角 同飛行成 まで 8手


【解説】
 本作はばか自殺詰の基本中の基本ともいえる《8手ばか自殺詰の基本パターン》に則った作品です。これは玉方の駒を2枚発生させて自玉を詰ますもので、王と玉とが比較的遠いときによく使われます。
 その基本パターンは以下の通りです。

《8手ばか自殺詰の基本パターン》
  ステップ1.合駒1(詰ませるための合駒)を発生させる
  ステップ2.玉を動かして、合駒1を動けるようにする
  ステップ3.合駒2(王の脱出を阻止するための合駒)を発生させる
  ステップ4.合駒1を動かして詰ませる

 本作の難しいのは、このステップ3のときに逆王手が掛かってしまうところです。普通は手順の途中で逆王手が掛かると、それに対応する手を指さねばいけなくなるために、自殺失敗となってしまいます。ところが本作では、逆王手時にさらに逆王手で返す技があって、この手順が成立しているのです。

【正解者及びコメント】 (正解者1名+コメント2名)

 縫田 光司 さん
   「なぜ解けたのでしょうか。謎です。」


☆今回唯一の正解者。きっと、龍の配置がいかにも捨ててくれと言わん
 ばかりなのに気づいたのでしょう。ばか詰やばか自殺詰は、作者の意
 図と波長が合うと、妙にスッと解けてしまうことがあります。
 

 おおいずみ さん
   「あーまたカンニングしてしまった(^^;
    98角87飛合の筋までは見えたのですが

    ところでfmはVC++で作成されているそうですが、
    dos窓なのにどうしてオブジェクト指向なんでしょうね」


☆おおいずみさんも Give Up してしまいましたか。
 今後もばか自殺詰を出題していきますので、今回の経験を生かして下
 さい。
 fmがVC++を採用しているのは、実行速度が速かったためです。オブ
 ジェクト指向は、とりあえず関係有りません。

 山中 幸隆 さん
   「今日西日暮里の忘年会だったんですが、師範の中座四段に例の
    バカ自殺8手問題を紹介しました。うんうん頭を抱えてました
    が、結局詰まなかったそうです。
    プロでも詰まないバカ自殺・・・(^^;;;

    結局私もまだとけてません(ioi)」


☆そういえばプロ棋士でフェアリーをやっている人はあまりいませんね。
 普通の詰将棋ならやっている人はいっぱいいるのに...
 本業に差し支えるということでしょうか。プロ棋士の棋力でフェアリー
 をやればきっと素晴らしい作品ができると思うのですが。

 

(1998.12.28 七郎)


1998.11.16出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 今回の出題は前回に引き続きばか自殺詰です。
 形はご覧の通りの『双裸玉』。最近では普通のばか自殺詰で双裸玉というのはあまり見かけなくなりました。その代わり、対面や安南といった変身ルールと組み合わせて、対面ばか自殺詰双裸玉とか安南ばか自殺詰双裸玉といった複雑な作品が発表されることが多くなっています。これは、普通のばか自殺詰の双裸玉では、なかなか新しいパターンを持った作品が作りにくいためでしょう。
 本作も、作ったのはずいぶん前ですが、手順に目新しいところがなかったので、未発表のまま置いていたものです。逆に、基本手筋の修得には役に立つかも知れません。ちょうど先月の出題で解説した基本パターン(6手)に4手の序奏が付いた構成です。



【ルール説明】

 

【詰手順】

19飛 48玉 18飛 37玉 17飛 27飛 26銀 36玉 25銀 同飛成 まで 10手


【解説】
 本作は6手ばか自殺詰の基本パターンに4手の序奏が付いた構成です。
 その基本パターンについては、前回の解答時に解説しましたが、ここでもう一度復習しましょう。

《6手ばか自殺詰の基本パターン》
  ステップ1.詰ませるための合駒を発生させる
  ステップ2.玉を動かして、合駒を動けるようにする
  ステップ3.合駒を動かして詰ませる

 本作ではこのパターンに入る前に「玉を合駒が支えられる位置まで近づける」ための4手の序奏がついています。10手くらいの手数になると合駒が2回以上出てきたりするパターンなど、複雑な構成の作が多くなるのですが、本作は合駒が1枚の単純な構成でした。次回はいよいよ8手ばか自殺詰(合駒2回)の基本パターンが出てきます。

【正解者及びコメント】 (2名+1名)

 山中幸隆 さん
   「だんだん変態になっていくのが恐い・・・」


☆大丈夫です。詰チェスのフェアリーの変態度に比べれば、本ホーム
 ページの変態度はまだまだかわいいものです。フェアリーをやって
 いながら将棋も強い菊田氏などの例もありますし、将棋が弱くなる
 心配はないでしょう。

 t-tanaka さん
   「一昨日と昨日2日がかりでやっと解けました。
    諦めかけていたら最後にスラスラと。
    詰め上がりの想定が間違っていたので苦労しました。」


☆t-tanakaさんの感想にもあるように、ばか自殺詰では詰上りの想定
 が、大きなポイントになります。正しい詰上りを想定するとスラス
 ラ解ける問題でも、詰上りの想定を誤ると大変苦労することになり
 ます。詰上りを的確に想定できるようになるには、これはもう訓練
 しかありません。


 おおいずみ さん
   「fmを使って解いたので解答とはいわないかもしれません
    98だったら解けなかったと思います」


☆うーむ。おおいずみさんの棋力なら自力でも解けたと思いますが、
 ちょっと手抜きをしたんでしょうか? まあ、ここは懸賞出題では
 ないので、感想だけというのも受け付けます。 ところで「98」
 とは古い9801系のマシンのことですかね。
 なお、おおいずみさんの主催する「
駿棋会のページ」が今月より旗
 揚げとなりました。本ホームページとは相互リンクとなっています。
 今後もよろしく。

 

(1998.12.7 七郎)


1998.10.19出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 今回の出題は基本的なばか自殺詰。
 この作品、形だけ見ると『飛角図式』であり、『無防備玉』であり、さらに一直線の『象形図式』でもあるという、能書きだけは立派な作です。それでは、手順の方はどうかというと... それは解いてみた方の感想にお任せします (^^;



【ルール説明】

 

【詰手順】

62角成 同玉 22龍右 42金 63角成 51玉 41馬 同金 まで 8手


【解説】
 将棋の実戦では「王手をかけているうちは詰まない」などと申しますが、王手をかけているうちに詰んでしまうのがばか自殺詰です。
 感覚が慣れないうちは、ばか詰よりも遙かに難しく感じますし、実際難しい問題も多いのですが、本作はばか自殺詰の基本パターンをマスターしている人には解きやすい問題だと思います。
 その基本パターンとは、

  ステップ1.詰ませるための合駒を発生させる
  ステップ2.玉を動かして、合駒を動けるようにする
  ステップ3.合駒を動かして詰ませる

 これが6手のばか自殺詰の基本パターンで、本作はその前に角捨てで「合駒発生可能な位置に持ってくる」という2手の序奏が入っているわけです。ただ、この基本パターンを知らない人には難しい問題だったでしょう。
 合駒1枚では足りなくて、2枚の合駒が必要な場合は、8手一組の基本パターンが存在するのですが、それはまたの機会に説明しましょう。

【正解者及びコメント】 (2名)

 山中幸隆 さん
   大ヒントのおかげで何とか解く事ができました。
   感覚が破壊されそうです。

☆山中さんからは、ルールについての問い合わせがあったので、
 そのときにちょっとヒントを出しておきました。
 正統派将棋ファンの山中さんにはこのルールは毒かもしれませんが、
 フェアリーにも手筋というものがあるので、それをマスターすれば
 だんだん解きやすくなると思います。

 たくぼん さん
   2枚龍が壁になるとは・・・無残。手順もみごとです。

☆手順の方は自信がなかったので、誉めていただいて嬉しいです。
 2枚龍のうちの1枚は単なる壁なので、他の駒でもいいのですが、
 見た目の綺麗さや紛れの多さから龍にする配置に決めました。

 

(1998.11.9 七郎)


1998.9.21出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 今回も前回に引続きキルケルールのばか詰です。
 本作の提供は神無太郎氏。裸玉に玉方の駒が1枚加わっただけの「無仕掛図式」ですが、その1枚のおかげでちょっと高級な手順を味わうことができます。
 キルケルールで注意する点は「駒が取られると将棋での指し始め位置に駒が戻される」という性質のために、盤の左右が対称でないという所です。本作を解いた後、配置を左右入れ替えて同じ手順が成立するかどうか確認してみるとその意味が分かると思います。
 なお、キルケルールについての細かい規則の説明や例題は
「第3回 神無一族の氾濫」出題稿を参照してください。
 また
前回の出題の結果稿なども参考にしてください。

【ルール説明】

【詰手順】

17香 16飛 同香/82飛 同玉/19香 18香/22角 17飛 同香 27玉 23飛 18玉

29飛成 まで 11手



 

【解説】
 持駒が香1枚。2連続合もできない形なので、最初の香打で合駒を入手することはできません。しかし、玉方が香を取ると、その香は19地点に再生し、もう一度香を活用することができます。2度目の合駒で、もっとも役に立つ「飛」を入手し、上記のような詰上りを実現することが出来ます。
 ヒモの付いていない龍と香による詰上りはキルケ独特の奇妙なもの。これが左右逆だったら、龍を玉で取られて詰まないことに留意して下さい。キルケでは盤面は左右対称ではないのです。手順の方も、取られて22地点に再生した角が、飛の打ち場所の限定に役立っていて、うまくできています。

【正解者及びコメント】 (3名)

 

 縫田光司 さん
   詰上りがカッコイイ。やっぱりキルケは面白いですね。
   詰パラのフェアリーランドでも扱ってくれればいいのに。

☆同感。フェアリーランドで扱ってくれれば、そこそこ人気の
 出るルールだと思うのですが、何故でしょうねぇ。
 担当者の趣味に迎合した作を作る気にもならないし。
 (だから「氾濫」が必要になってくる、とも言えますが)
 ところで、縫田さんは今回も即日解答。さすがです。

 たくぼん さん
   慣れないと戸惑いますね。特に暗算で解いていると、
   自分の駒が取られた時に復活するのを忘れてしまいます。
   22角復活で飛車打ち限定になるのがいいですね。

☆そうそう、私も最初にこの図を見たときに、ちゃんと手が
 続くのか一瞬疑いました。復活した22角なんかも、普通は
 ただの役立たずで終わるんですが、この作品ではちゃんと
 働いていますね。

 山中幸隆 さん (初解答)
   やっと解けました・・・

☆山中さんは、フェアリー初挑戦で見事正解。
 今後もぜひ解答を続けて下さい。

 

 

(1998.10.12 七郎)


1998.8.24出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 今回はキルケルールのばか詰です。
 「キルケ」というルールはもともとチェスの変則ルールで、王泉氏がそれを日本将棋用に翻案したのが、日本でのキルケの始まりです。ルールの内容は以下の説明の通りですが、細かい規則の説明や例題が
「第3回 神無一族の氾濫」出題稿に出ているので、ぜひ参照してください。
 本作はキルケばか詰の裸玉。普通詰将棋と違って、フェアリーでは裸玉はそんなに珍しいものではありませんし、難度も高くないものが多いのです。本作もルールさえ把握すれば決して難しくないはずです。みなさんぜひチャレンジしてください。

【ルール説明】

【詰手順】

49歩 37玉 38歩 26玉 29香 28香 同香/11香 27香 同香 15玉
16香 まで 11手

 

【解説】
 とりあえずは香で合駒を稼いで詰上がりを作るのですが、これはキルケルール。取った駒が持駒になるのではなく、一番近い指し将棋の初形位置に戻されてしまいます。逆に言うと、その地点が埋まってしまえば持駒にできるのですから、同じ駒を2連続合すれば、その駒を持駒にすることができるのです。
 そしてこの形で最も役に立つ駒は「香」。詰上り図を見て下さい、ここで16香を取ればそれが19地点に復活して玉を取ってしまいます。従って、この16香は取る事ができず、この形で詰上りです。駒の斜め階段が即席でできあがるのがちょっとしたウリの作品です。

【正解者及びコメント】 (2名)

 

 縫田光司 さん
   今回も易しくて、ルールに慣れるにはもってこいの作品。
   氾濫のときも、これくらいの作品が1つくらいはあると
   解答を出せるのですが。


☆前回の氾濫は超絶的に難しかったですからねぇ(スミマセン(^^;)。
 次の氾濫担当は神無三郎さんなので、七郎と違って易しい作を
 選題してくれると思います。

たくぼん さん
   今回は、ルールを把握するのに時間がかかってしまいました。
   (まだよくは分からないのですが)

☆見事に正解です。


   2回目の香合を取ったときは91への復活はないのでしょうか?
   11が埋まっていたら持ち駒としてもよいのでしょうか?
   フェアリーを久しくサボっていたらいろいろなルールが出てきており
   さっぱり分からなくなってしまった。すこし本腰入れようかな・・

   次回作品期待しています。


☆ルール説明が雑で申し訳ありませんでした。正確なルールは「第3回
 神無一族の氾濫」の出題稿に書いたように、

取られた駒が最も近い指し始めの位置に戻される。
戻せない場合は持駒になる。

 というものです。(出題のときの説明では「最も近い」という表現が
 抜けていました)
 つまりこの場合は取られた地点(この場合28と27)から一番近いのは
 どちらも11地点なので、91地点は考慮の対象外となります。

 

 

(1998.9.14 七郎)


1998.7.28出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 前回に引続き今回の作品提供も神無太郎氏。入玉型でほとんど無仕掛に近く、持駒は小駒だけという普通詰将棋なら絶対に詰まない形をしていますが、それがあっさり詰むのが「ばか詰」のおもしろいところです。
 本作もそんなに難しい作品ではありませんので、みなさんぜひ解答をお願いします。

 

【ルール説明】

【詰手順】

29金 同飛生 28銀 同玉 39銀 同飛生 29歩 同角生 37銀 19玉
28銀打 まで 11手

 

【解説】
 初形での王手はとりあえず29金しかありません。それに対する応手も同飛以外では王手が続かなくなります。ただし、同飛不成で応じるのが詰上りを見越した好手です。その後も局面をほぐしながら、不成の応手が続きます。最後は還元玉の雪隠詰。まるで入替えパズルを見ているような手順でした。

【正解者及びコメント】 (3名)

 たくぼん さん
   見事な雪隠詰。しかしこの詰めあがりが予想できるだけに、
   解きやすかったともいえる。
   解後感は最高。

☆たくぼんさんはなんと即日解答。もちろん解答一番乗りでした。
 今後は易しい問題の時は、出題の間隔を短くするようなことも
 検討してみます。


 
久米 宏 さん
   盤面みてたら、思わずつましたく、なってしまいました。
   p.s.この前の前の日曜日、詰め将棋全国大会に、いきましたが、
     詰め将棋の世界は、住んでる人もちがう、別の世界のようで、
     たじたじでした。おもしろかったです。

☆私も全国大会に行きたかったのですが、体の不調で断念。
 お会いできなくて残念です。


 
縫田光司 さん
   不成がたくさん出てくるのがばか詰らしくていいですね。
   これくらいなら楽しく解けるのですが。


☆トップページに飾る作の難易度はこのくらいが良さそうですね。
 次回は純粋なばか詰ではなく、ちょっと変則動作が入る予定です。
 慣れれば難易度はこの作と同じくらいだと思いますが。

 

 

(1998.8.17 七郎)


1998.6.29出題作の解答

 

【出題時のコメント】

 今回の作品提供は神無太郎氏。前回、前々回は「第九回 神無一族の氾濫」の練習問題ということで、やや難しい問題が続きましたが、今回は一転して易しい問題です。

 ルールはフェアリーの基本とも言える「ばか詰」です。なお、フェアリーでも一般的には普通の詰将棋と同様に、左右対称形の左右対称解を同一の解として扱います(注)。本作は左右対称形ですので、右か左か迷ったら「自分の好きな方」を解答して下さい。

(注:キルケルールのような例外もあります)

 

【ルール説明】

【詰手順】

51飛 52飛 同飛生 44玉 54飛打 43玉 53飛引成 まで 7手

 

【解説】
 駒数が少ないので、強力な大駒を合駒で入手します。3手目玉の動ける箇所を広くするため飛を不成で行くのはばか詰での常用手筋です。この詰上りが想定できれば比較的解きやすい問題だったと思います。

【正解者】 (3名)

 たくぼん さん
 久米 宏 さん
 泉 真理 さん

 すべて新しい方からの解答でとてもうれしく思います。次の出題も基本的なばか詰を予定していますので、ぜひ解答して下さい。

 

 

(1998.7.20 七郎)


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