KAMINA-ICHIZOKU NO HANRAN: #21

第21回

神無一族の氾濫

担当神無七郎

今回の「氾濫」は、ばか自殺ステイルメイト特集です。

「ステイルメイト」は「王手は掛かっていないが、合法的な手がない」状態のことです。
「詰」が「王手が掛かっていて、それを回避する合法的な手がない」状態のことなので、違いは王手が掛かっているかどうかだけですが、慣れないととまどうかもしれません。

今回特集した「ばか自殺ステイルメイト」は「先後協力して最短手順で、攻方をステイルメイトの状態にする」というルール。
近年では、別の変則ルールと組み合わせたりして、本格的なパズル志向の作品が多くなっています。
まずはルールに慣れていただくため、例題を見て戴きましょう。

【例題】神無六郎作

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54角、43角、33銀、同玉、44銀、同玉、53銀、54玉、63銀、53玉、
52銀成、同角迄12手

最終図は省略しますが、王手の掛かっていない状態で、攻方は反則以外の手が指せないのでステイルメイト達成です。
この例題に見られるように、ばか自殺ステイルメイトの基本は、「不要な駒を捨てること」と「攻方王を縛ること」の２つですが、今回出題の作は果たしてどうでしょうか。

〔ルール説明〕

【キルケ】駒が取られると最も近い将棋での指し始め位置に駒が戻される。戻すべき位置が埋まっていたりして、戻せないときは取った方の持駒になる。

【Ｋマドラシ】同種の敵駒が互いの利きに入ると利きがなくなる。玉も例外ではない。成駒と生駒は別種の駒として区別する。

〔出題作についてのコメント〕

①はいつもの三郎流。説明は不要ですね。

②は過去の「氾濫」の六郎氏の作品を見るとヒントになるかもしれません。

③はもず氏の作品（攻方持駒金４銀４、受方29玉20手）を七郎がアレンジしたものです。
攻方王がないのに「ばか自殺」というのは違和感があるかもしれませんが、この種の作品では攻方王を置いても「飾り」にしかならないので省いています。

④⑤も持駒消去物ですが、両者の味わいはかなり異なります。
⑤の方が若干易しいかもしれません。

　　懸賞

▼ 締切６月末日。呈賞５名。解答は編集部または左記のアドレスへ
E-mail:k_7ro@abz.jp

▼ 評価点不要。短評歓迎。１題の正解でも呈賞の対象となるので、解けた分だけでも解答を送って下さい。

▼ ルールの詳細や例題などはOnsite Fairy Mate(http://www.abz.jp/~k_7ro)を参考にしてください。