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基本技#13 「自分専用虎の巻」

 

1. 「…あれ何だっけ?」という時に

fmの操作はいわゆるCUI(コンソールユーザインターフェース)です。
要するに昔のコンピュータ風ですね。
今時のGUIアプリの ように、とりあえずプログラムを起動すれば、プログラムの方から色々聞いてきて操作者は答えを与えるだけ……という受け身の姿勢ではウンともスンとも言っ てくれません。
ちゃんとマニュアルを読んで使い方を覚え、適切なコマンドを打ち込んで初めて働いてくれるのです。
CUIはGUIに比べて原始的に見られが ちですが、慣れてしまうとGUIよりも早く使えますし、細かい指定もしやすいので結構便利なものです。

ところが、普段使い慣れない機能を使おうとしたり、コマンドやその意味を度忘れすると大変です。
慌ててマニュアルを探し、キーワードで検索を掛けて……と中々本来の仕事(詰将棋の検討)に掛かれません。

こんな時に役立つのがfmのヘルプ表示機能です。

 

2. 組み込みヘルプの表示

fmにはデフォルトの状態でヘルプ機能が備わっています。
fmのコマンドプロンプトから ? を入力してみてください。

fmの組み込みヘルプ

このようにfmの様々なコマンドや操作法、オプション、キーワードが表示されます。
これを見ているだけでもfmには数多くの機能が盛り込まれていることが分かりますね

3. 自分専用のヘルプの表示

普通に使う分には上のヘルプ画面で充分すぎる情報があるのですが、逆に「ちょっと情報が多すぎる」とか「自分が欲しい情報とちょっと違う」という方もいらっしゃると思います。

そんな方のためにfmでは自分専用のヘルプ画面を表示する機能があります。
まずはテキストエディタで元ネタを作ってください。
以下に例として、ルールの略号を一覧にした資料を作ってみました。

【基本】                                  【特殊・付加的条件】
%h   協力詰 %f %z     打歩(=完全打歩)
%s   協力自玉詰 %tanjunuchifu 単純打歩
%hss  協力自玉ステイルメイト %+2      利二歩無効
%hs  協力ステイルメイト %gouyoku   強欲
%basen 協力千日手 %kinyoku   禁欲
%r  協力手順 %shou     将(=すかし可)
【ルール・条件】 %sukasi    すかし
%a   安南 %iti[nn]   詰位置指定
%b   背面 %gentei    限定
%c   キルケ %+*      弱(=弱協力手順)
%j   天竺 %2mai     二枚詰
%km   Kマドラシ %torikin   攻方取禁
%m   マドラシ
%n   安北
%nc   アンチキルケ
%p(??) 駒詰
%pwc  PWC
%q   駒詰(クィーン)※%p(qu)と同じ
%t   対面
%x(?)  X面
%y(?)  安X


これを FMHELP というファイル(拡張子なし)に保存します。
そしてfmを置いてあるのと同じフォルダに置いてください。

今度は ? を入力するとこんな画面が出るはずです。


FMHELPの表示 

このヘルプを1画面に納めるには、23行×80文字以内でヘルプを作る必要があるのですが、ヘルプ表示機能には改行処理も備わっているので、行数がオーバーしても心配はいりません。 

4. とにかく入力してみるのも手

思い出せないのがルールの略号だった場合、「とにかく入力してみる」のは有力な手段です。
fm起動後に「Alt+全角/半角」キーで仮名漢字変換機能を起動し、直接ルール名を入力してください。
この場合、頭に%を付けません。

ルール名直接入力

上の例の「安南キルケ協力詰」の略号は「%AC」なのですが、こうして直接入力ができました。
fmで検討不可能なルールの場合は、エラー扱いされ盤面は表示されません。
なお
「安南キルケ協力詰」の場合、実際の処理には「fm拡張セット」が必要です。

注意!ルールの中には名称だけ予約され、処理する実行ファイルのないものもあります。
そんな場合、処理自体は「協力詰」として行われます。
未サポート(のおそれがある)ルールを実行する際は、予期した動作が行われているか必ず確認してください。

5. DOSコマンドを使う

これ自体はヘルプ機能とは直接的な関係はありませんが、fmには ! でDOSコマンドを発行する機能があります。例えば、

FM> !dir

と入力すれば、dirコマンドでfmが置いてあるフォルダのファイルとフォルダの一覧が見られるわけです。
組み込みヘルプ機能よりは少し面倒ですが、この機能をヘルプとして利用するのもひとつのアイデアです。
例えばFMDOCX.TXT(fm拡張セットのマニュアル)を
fmが置いてあるフォルダに持ってきて、次のコマンドで表示させてみましょう。

FM> !type fmdocx.txt |more

typeコマンドの実行

このようにFMDOCX.TXTの内容が表示されます。
ヘルプと違ってファイル名の指定ができるので、見たい内容ごとに別文書に分けている場合はこちらの方が便利でしょう。

ちなみに、fmでDOSコマンドが実行できるということは、fmからfmを実行することもできるわけです。
筆者にはfmからfmを起動するメリットは思い浮かばないのですが、もしかしたらアッと驚くような使い方があるかもしれません。
もし何か思い付いた方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報願います。

 

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